先週は青森にて「建設業におけるハラスメント対策セミナー」の講演会の講師を務めさせていただきました!わざわざ遠くからお声がけをいただきありがたいことです^^
さて、講演会の中でもお話をさせていただきましたが、、、
「部下がこちらが指示したことを無視していうことを聞きません。これは逆パワハラなのではないですか?」
というご質問をいただくことがよくあります。
パワハラは、上司から部下へのものが多いという認識がありますが、必ずしも上司から部下に対する行為だけがパワハラに該当するわけではありません。
部下から上司に対して、同僚同士であっても、次のパワハラの要件を満たしている場合はパワハラに該当します。
①優越的な関係を背景とした言動であって
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されるものであり、①から③までの3つの要素を全て満たすもの
たとえば、部下から上司へのパワハラの具体例としては、「新任先の部署で部下から無視をされる」「ITに弱い上司がITに強い部下から無視される」などが該当します。
ちなみに、ご質問のケースのような、上司が正当な指示命令を行った際に部下から反抗的な態度を取られる場合、逆パワハラではなく、業務命令違反に該当します。
言うことを聞かない、指示に従わない業務命令違反を行う部下に対しては、まずは口頭での注意が必要です。改善を促し、あわせて注意の内容や経過を記録しておき、履歴を残しておいてください。
ケースによっては、注意指導を行っても改善が見られない場合は、就業規則に基づいて懲戒処分を検討する必要があります。
・・・正直なところ、業務命令違反を繰り返す部下に対して、上司は、つい感情的になり厳しい口調になってしまうこともあるでしょう。
ですが、厳しい指導の結果、暴言や人格否定的な発言をした場合は、結果としてパワハラとみなされるケースも多くあります。実際に過去の判例を見ても、被害者側に何らかの問題行動があっても、行為者が厳しく指導し出てきた暴言はパワハラとされたケースが多いのが現状です。
このような話をすると、これもまた、よく質問されることがありますが、「行為者の問題ばかり責められるけど、被害者側の問題は指摘されないのか?」という点です。
そもそも問題行動がある被害者側の問題があるのではないか、ということなのですが、しかし、問題行動があるからといって、パワハラ的な言動を行ってもよいということにはなりません!!!
問題行動に対する指導は必要です。ですが、指導の際のコミュニケーションの取り方、言動は感情的にふるまうのではなく、自己統制の上で、相手に伝える必要があります。
昨今の管理職には、部下の労働時間管理、部下育成、メンタルヘルス、ハラスメント防止など、幅広いマネジメントが求められ、責任も重くなっています。
そのような中で、問題行動がある部下へ冷静に指導をしなければなりません。管理職には高い人間性と人間力が求められているのです。
パワハラ等のハラスメントを予防するためにも、日常的な部下とのコミュニケーションを大事にし、信頼関係を築くことで、逆パワハラのリスクを減少させることにもつながります。
まずはここから意識をしてみてください^^