
以前、ハラスメント研修を実施した後のアンケートに、受講された管理職の方から次のような感想をいただきました。
「ハラスメントと言われるのが怖いので、これからはできるだけ部下と話さないようにしようと思います」
正直、このような感想を見て、かなりショックを受けました^^;ですが、それと同時にそう思ってしまうのも、ある意味当然なのかもしれない…と感じました。
今の管理職の方々は、本当に多くの責任ある仕事や役割を抱えています。仕事の成果を求められることはもちろん、部下の育成やメンタルケア、ハラスメント対応や働き方改革への対応まで、多方面への気遣いが求められています。
このような中で、管理職の方が部下とコミュニケーションを取った際に「ハラスメント」と指摘されるリスクがあるワケです。
個人的には、「なるべく部下と関わらないようにしよう」「ひとまず話さない方が問題が起きないだろう」というような自己防衛が働いても、仕方がないのかもしれないと感じます。
しかしながら、私たちは“人と関わらずに生きていく”ことはできません。特にビジネスにおいては、コミュニケーションを取らずに仕事を進めることは不可能です。
人と関わるのは、たしかに面倒なことが多くあります^^;時には傷つくこともありますし、価値観の違いや、感情面での調整などもあります。メンタルヘルスの原因の1つにも「人間関係」が上げられていますので、精神面での疲労や影響も出てまいります。
ですが、面倒で大変なことばかりかというと、必ずしもそうではないのでしょうか。人と関わることで得られる「良い影響」も、確実にあるのではないでしょうか?
たとえば、やる気のある方と一緒に仕事をすると、自分も元気をもらい、「彼(彼女)が頑張っているのなら、自分ももう少し頑張ろう」と思えることもあります。
実際に、私もお客さまとのやりとりで、お客様も頑張っているのだから、私も頑張ろう!とエネルギーをもらえることが多々あります!
最近では、日本初の女性首相である高市早苗さんが、日本のために働いて働いて働いてまいります、と力強くおっしゃっているのを見て、私も一国民として、自分のできるところでもっと頑張っていこう、と新たなエネルギーをもらいました^^
また、自分1人で考えていると行き詰まってしまうようなケースでも、他の人の意見を聞くことで、思わぬ気づきや新しい視点を得られることもあります。まさに多様性がもたらすギフトですね!
現在は、外部環境的も変化が激しく、国全体でも不安や閉塞感が漂っています・・・。ですが、このような時代だからこそ、「お互いに頑張ろう」と思えるような前向きな関係性が、必要なのではないかと思います。
だからこそ、部下との関わりを「リスク」と捉えずに、信頼関係を築くための「投資」として考えていただくことが、必要だと思います。
そのためにも、コミュニケーションの取り方を意識する必要があり、具体的には「どう伝えるか」「どう受け取られるか」という点を意識しなければなりません。
安心して話し合える関係性をつくるには、言葉の言い回し、単語やフレーズの選び方、タイミングの見極め、伝えるときの表情や姿勢にも気を配る必要があります。
このように書くと、仕事だけでも大変なのに、それ以外にも意識したり気を遣ったりしなければならないと、大変さが前面に出てきますが^^;決してコミュニケーションスキルは、特別なスキルではなく、日々少しずつ意識し実践していくことで、自然に身につくものです。
人と関わること、コミュニケーションをとることへの恐れは、誰だって当然あります。
ですが、繰り返しになりますが、私たちは、人と関わらずに生きていくことはできません。であれば、悪い影響を避けるだけでなく、良い影響を主体的に自ら取りにいくほうがよいのではないでしょうか。
そのためにも、まずはご自身のコミュニケーションの取り方を振り返っていただき、
少しずつコミュニケーションの取り方を意識して変えていく・・・1日1日積み重ねていくことで、コミュニケーションへの恐れを勇気に変えていくことが大事だと思います^^