前回に引き続き、建設業の働き方改革について、具体的にどのように労働時間を削減するのか?について取り上げたいと思います。
建設業界に限らずですが、労働時間を削減するためには生産性の向上が必要です。
具体的な方法として、例えばICT(情報通信技術)の活用が上げられます。ICTを導入することで、コミュニケーションの効率化が図られ、移動時間の短縮や業務の迅速化につながります。
たとえば、データをクラウドサーバーに保存し、現場でタブレット端末を利用して図面データを閲覧することで、現場で協力会社からの問い合わせがあった際にも、その場で迅速に対応することが可能になり、業務全体の効率が向上した、という事例があります。
従来であれば、事務所に戻ってから確認しなければならなかった情報も、即座にアクセスできるため、移動時間や待ち時間が大幅に削減されます。
また、zoomなどのWEB会議システムの導入も効果的です。WEB会議システムの導入により、打ち合わせや会議に出席するための移動時間が減り、効率化し時間短縮につながります。
また、従業員全員にパソコンを支給し、現場でも情報共有がスムーズになることで、指示のタイムラグが減るという効果があります。
実際の成功事例として、従来は2~3日かかっていた現場の巡回が、オンラインでの対応に切り替えることで、半日から1日程度に短縮されたケースがあります。また、LINEのグループチャットを活用することで、情報共有や承認のプロセスが迅速になり、意思決定が速くなったという例もあります。
一方で、ICTを導入したからといって、すぐに効率化に結び付くわけではない・・・という現実的な課題もあります^^;例えば、全員にiPadを配布したものの、まだ使いこなせない従業員がいる・・・というお話を伺うこともよくあります。
新しいツールを取り入れたら終わり、というわけではなく、教育や慣れるまで時間がかかることを念頭においておく必要があります。
このようなことを言うと、「すぐに効果がでないのなら、やる必要はないのでは?」「教育に時間がかかるのであれば、変える必要はないのでは?」という意見も出てくるかもしてません・・・!
それでも、確実に時代は変化しており、労働時間の削減が求められていますので、何かを変えなければ実現できません。
最初は不慣れであっても、できるところから少しずつ進めて実践し、労働時間を削減することが必須となっていますので、これまで通りのやり方から、新しいやり方へ少しずつシフトしていくことが必要です。
何かを変えるときは、どうしても最初から成果も100点を目指したくなりがちです。ですが、いきなり100点を目指すことは現実的にはハードルが高いものです。
実際の講演会でも、よくお伝えしていることですが、ますは100点を目指すのではなく、1点ずつの点数の積み上げが大事です!
まずはできるところから実践してみてください。