前回 前々回、の記事に引き続き、建設業の働き方改革に伴う労働時間削減について取り上げます。
前回の記事では生産性の向上を取り上げましたが、同時に業務改善も必要不可欠です。
例えば、業務のマニュアル化についてですが、業務手順を標準化し、誰でも同じクオリティで作業を行えるようにすることを目的に行います。これにより、作業のばらつきを減らし、効率化を図ることができます。
ただし、現実は目先の仕事に追われてマニュアル化まで手が届かないケースも多いかもしれません^^;マニュアル化の必要性は多くの企業で課題に上げていますが、どうしても後回しになりがちです。
ですが、時間外労働の上限規制適用という大きな法改正をきっかけとして、できるところからマニュアル化を進めてください。
あわせて、従業員ごとの残業時間を定期的にチェックし、残業が多い従業員をピックアップして、毎月定期的にアナウンスやメールを送り、従業員1人1人に残業削減に対する自覚を持たせましょう。例えば、残業時間が多い人はたいていいつも決まった人である…というお話もよく聞きます。従業員1人1人の現状把握を行い、残業が発生する原因を分析する必要があります。
また、最近よくお話を伺うのが、いわゆる現場事務や建設ディレクターといった事務担当者を採用し、業務を分担する取組みによる残業削減方法です。
これにより、現場の負担を軽減し、現場作業に集中できる環境を整えることができます。
ただし、こちらも実際に現場事務や建設ディレクターの事務担当者を採用はしたものの、まだまだ活用ができていない・・・今後どのように教育して活用をしていけばよいのかわからない・・・という実務的な課題も出てきているようです^^;
マネジメントの問題もありますが、新しい取り組みですので、まずは業務の切り分けを行い、業務フローを考えてできるところから進めていきましょう。
実際にある企業の事例ですが、上司が毎週、部下の残業時間を集計し、そのデータを基に仕事の配分や調整を行うことで、業務量の平準化を図っています。残業が一定の時間を超える場合には、上司が助言を行ったり、追加の人員を投入したりすることを判断しているケースがあります。
多くの企業では、残業を行う場合に事前申請制を取り入れていらっしゃいますが、事前申請の際の残業の許可基準を、例えば全役員の決済を経なければならないという、厳しい基準を設定している企業もあります。
労働時間削減のためには、やはり経営者や管理職の強い意志とマネジメント力が必須だと感じます。
業務改善や生産性向上など、新しいことを取り入れてもすぐに効果を実感できることばかりではない、ということは、もどかしいことではありますが^^;やはり今までのやり方から何かしら脱却していくことが必須となります。
やってみる→修正する→またやってみる→修正する・・・
この繰り返しを愚直に継続していくことが必要です。
まずは1つずつ実践できるところからスタートしてみてください。