
人手不足時代、ここ最近、お客様との会話の中で「人が採れない」「人手の確保が本当に難しい」という話は本当によく耳にします。
そのような中で、最近よく聞く言葉に、「数年前には何人もいた応募者たち、いったいどこに行っちゃったんでしょうか?」というフレーズがあります^^;
確かに、数年前も採用は簡単ではありませんでしたが、それなりに応募もあり、それなりに仕事ができる人材が来てくれていました。ところが今は、応募がないことはもちろんのこと、応募が来ても戦力にならない・・・人材の質が下がっている・・・というお声も多く聞きます。
当然と言えば当然ですが、感覚的にも実際にも、人材の“質”が下がっているのです。
このような背景としては、いくつかの理由があると考えられますが、最も大きな要因は「大手企業による人材確保の強化」ではないでしょうか。
ご存じの通り、大手企業は労働条件もよく、福利厚生も充実しています。以前であれば入社のハードルが高かったような企業でも、今は人材確保のため門戸を広げています。
その結果、これまで中小企業に来ていた“そこそこできる人”たちが、大手企業に流れています。この流れは個人の選択としては当然の流れだとは思います^^;
ちょうどこのことを裏付ける記事が日経新聞に掲載されていました。
> 大企業、進む人材流入 雇用10年で26%増
> 業績改善・高賃金が呼び水 中小は採用難、高齢者頼み
> (2025年5月25日 日経新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO88914460V20C25A5NN1000/
ということは、中小企業が従来と同じような感覚で人を採ろうとしても、なかなかうまくいかないのは当然のことでしょう。
それでは、中小企業の人材確保はどのように行っていくべきなのでしょうか?
まず必要なのは、「本当に人を雇う必要があるのか?」という視点で業務を見直すことです(きっぱり)。
もちろん、一定の規模がある企業では雇用ゼロという選択肢は現実的ではありませんが、「少人数で回す仕組み」を真剣に考える時期に来ていると感じます。
DX化や業務の見える化、業務フローの改善など、できることはたくさんあります。また、どうしても人が必要な場合には、採用基準を一部緩めるという判断も必要かもしれません。その場合、業務をできるだけ細かく分解し、誰にでもできるように設計することがカギになります。
最低賃金も上がり続け、社会保険の適用範囲も拡大していきます。これまで「安く雇える」とされていた労働力が、今はもう安くなくなっているのです(これまでが“安すぎた”のかもしれませんが…)。
以前読んだデービット・アトキンソン氏の「日本企業の勝賛」という本の中で、今後日本企業が生産性を上げていくためには、「最低賃金をアップする」「企業は大企業化する。できない中小企業は淘汰する」ことが必要だ、と書かれていました。
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外部環境にあわせた変化ができない中小企業は、淘汰される・・・厳しい意見ですが、今の状況を見ると、あながち間違いではないのかもしれません。
だからこそ、現実を直視し、これからの人材確保と労務管理のあり方を、改めて見直していく必要があると感じます。