monologue

今後の社労士業界について思うこと

最近周囲で、士業事務所のM&Aのお話を聞く機会が増えていて、個人的には、やっぱりそういう動きが増えてくるのだなあ…と、感じています。

以前から、今後の士業業界は、

1)大規模なアウトソーシングを請け負う事務所
2)専門性が高い事務所

の2つに二極化するだろうと考えていました。

特に社労士でいうと、1)は給与計算や社会保険・労働保険の手続きのアウトソーシングのニーズはまだまだありますが、ここは低価格競争が行われています

そうなると生産性を高くし、スタッフの人数を多く抱える社労士法人での対応に集約されるので、規模が中途半端な事務所は今後淘汰されていく可能性が高くなることでしょう。

そうした状況を見越して、M&Aを実施、または検討している事務所も多いのではないかと感じます。

一方、2)の高度な相談、コンサル業務は、付加価値が高いサービスとなり、高単価になりますが、量はそんなにこなせません。

もちろん、高付加価値な業務ができるスタッフを多数抱えられることが理想ですが、こちらもそうそう簡単なことではないでしょう^^;

特に優秀な有資格者は、自分で独立できてしまうという昔ながらの資格業ならではの悩みもありますので・・・

このような環境下で、弊社は圧倒的な小規模事務所なので、1)は到底目指せません。

私自身は、独立前は大量事務手続きを行うアウトソーシング系の事務所に勤務していたこともありますが、個人的趣向からも、大規模なアウトソーシング事務所は最初から目指していませんでしたが^^;

となると、弊社の選択は、必然的に2)ということになりますが、当然こちらもそう簡単ではありません。

これまでもネット検索による情報で解決することもあったかと思いますが、昔では考えられなかった、chatGPTなどの生成AIの出現により、今後簡単な労務相談は社労士でなくても答えられるようになることでしょう。

当然一般的な相談対応だけでは価値を感じてはもらえず、個別対応かつより専門性の高い内容への対応ができる、ニッチで他の事務所ができないことができる、というポジションを目指すことになるのですが、実践はそうそう簡単ではありません(当たり前ですが)

例えば弊社では人事労務だけはなく人材育成のサポートもできるということを主張しており、他事務所との差別化になっている点もありますが、一方で人材育成のカテゴリーでも当然競合もあります。

こうした状況を踏まえて、今後の方向性を考えていく必要があるのだと思います。

こういう話をすると、社労士業界の今後に不安ばかりを感じているように聞こえるかもしれませんが、むしろ個人的には真逆で、社労士業界の未来は明るいと感じています^^

まず、外部環境が昔と大きく変わっています。

今後ますます人手不足は進んでいきますが、雇用の多様化はますます進み、従業員の多様な価値観に基づいたチーム作りに現場は模索しています。

今も働き方改革で提案されていますが、少ない人材をどのように生産性を上げて活用するか、
法律的な制度面だけではなく、ソフト面での模索もかってないほど行われています。

ソフト面は法的な面と比較すると、明確な回答がないので、難しいところではありますが、逆に明確な回答がないからこそ、サービスやアドバイスと言うところで、社労士のニーズは高まる一方です。

一方、社労士側が明確な回答がない相談に対して、答えられるのか?という課題があります。

おそらく、答えられる社労士と答えられない社労士とが明確化することでしょう。

明確な回答がない相談への答え=(イコール)お客様の代わりにお客様の最適解を導き出す、ということだと思いますので、今もそうですが、ますます思考力が求められていくのではないでしょうか。

私自身、20代のころから社労士の仕事に携わっていますが、当時は資格を取得し、実務経験を
少なくても10年以上積めば、ある程度はできるようになるのではないかという幻想を抱いていました^^;

今は、はっきりとそんな考えは幻想だと言い切れます(キッパリ)。

25年以上社労士の仕事に携わってきて感じるのは、どんなに長くやってもちょいちょいでできる仕事ではない、ということです。

外部環境も随時変化しているので当然だと思いますが、今でもゴールのないしんどい日々を積み重ねていく覚悟がないと、あっという間に淘汰されてしまうという危機感を感じています。

大変といえば大変ですが、一方それくらい、やりがいのある仕事であるということも言えます^^

当たり前ですが、どの仕事もどの業界も、お金をもらうということは、本当に簡単ではありません。

変化が激しい時代はついていくのも大変ではありますが、一方で、お客様のお役に立てる機会は以前よりも圧倒的に増えてきていると感じます。

弊社もこれまでの枠にとらわれずに、お客様のお役に立てるような立ち位置で、お客さまのサポートをしていける事務所として成長していきたい、と改めて思います!

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