人手不足時代、企業における人材確保はますます難しくなっています。
それこそ、募集をかけても応募すらない、という声も多いのが現実です。。。
応募者を増やすための採用の取り組みについては、こちらの記事を参照にしていただくとして…
応募があっても、自社にそぐわない人材の場合、できれば採用することは避けたいものです^^;
人手確保がむずかしい時代は、どうしても、人手確保を優先しがちです。しかし、AIや効率化により一昔前とは違って、マンパワーでなんとかできる仕事はどんどん減ってきています
経験者であっても、未経験であっても、その仕事への適性があるのかを見極めなければなりません。
ちなみに適性とは「性質・性格がその物事に適していること」をいいます。もう少し詳しく言いますと、「その仕事を遂行するのにあたっての能力が適しているか、その人の性質や性格がその仕事内容にあっているか」ということをいいます。
主観ですが、意外と「適性」はあまりよく見ないで採用を行ってきている企業も多いのではないかと感じています。
例えばスポーツ選手やアイドル歌手。どんなに好きでも、どんなにやりたくても、誰でもスポーツ選手やアイドル歌手になれるわけではありません。
もちろん努力も必須ですが、個々人の適性が大きく左右すると思います(スポーツ選手なら体格や性格。アイドル歌手なら容姿や歌唱力など)。
大変おこがましいですが、私がこれからスポーツ選手やアイドル歌手を目指したところで、どんなに努力をしても、絶対なれません!!!情熱や努力ではカバーできないものがあるのではないでしょうか。
一般企業のどのような仕事も同じ。全部プロとしてお金をもらうためには、いろいろなことが求められます。そしてその中でも「適性」がない場合、時間がたってもその仕事では貢献できない、成長できないということが起こりえます。
ある意味、後天的に身につく能力は、時間がたてば解決してくれるので問題ありません。しかし、問題は、時間がたっても経験を積んでも、できるようにならない、というケースです。
例えば経験者だと言われて雇用してみたけど、実際は経験を活かしてその仕事を活かすことができない…というような場合は、もともとの適性の問題があるケースがほとんどです。
したがって、試用期間では適性があるかを見抜くということを意識してください。
もちろん、面接で見抜けるのであれがこれにこしたことはありません。採用する前に、見極められるのが本来ベストです。
しかし、採用選考の短い時間ですべてを見極めるのは難しいのが現実です。
となると、次のステップでは採用後の勤務の様子で、適性の有無を見極めるということが必須となります。
ここで問題になるのが、どうしても人情で「経験を積んだら成長するのではないか?」という目で適性の有無を見極めることを躊躇してしまうことです。
繰り返しになりますが、時間が解決することは問題ありませんが、時間が解決しないと思われる場合は、やはり適性がないという決断をしなければなりません。
人情で、ずるずると雇用し続けると、大きな影響が出ます。そして、ミスマッチの人材は、問題社員になるリスクもあります。あわせて、周囲の真面目で優秀な人材が疲労していき、優秀な人材から離職していく…という悪循環に陥るリスクがあります。
法定の試用期間は2週間ですが、適性を2週間で見極めても、適性がない場合にその場ですぐに退職(解雇)とするのは現実としては難しいことでしょう。実務的には、例えば試用期間が3ヶ月の場合は、次のような流れで対応してください。
ステップ1:採用後2週間から1ヶ月で、適性の有無を見極める
ステップ2:1ヶ月目経過時に、適性がない場合はその現状をフィードバックし、1ヶ月後までに達してほしい基準を具体的に伝える
ステップ3:改善の有無を評価し、フィードバックする。改善していない場合は、具体的にどのような点が基準にマッチしていないかを伝える
試用期間終了: 本採用 または 退職(解雇)
試用期間終了とはいえ、正社員や期間の定めのない契約の場合は「解雇」となりますので、できれば有期契約で終了または正社員化する、という流れで対応できるとベストです(6か月以上の契約期間経過後の正社員化はキャリアアップ助成金の対象にもなりますので…ただし、解雇などがあると一定期間受給要件を満たしませんが^^;)。
ですが、有期契約者の求人募集は、やはりいい人材の獲得にはマイナスに働くこともありますので、この辺りは各企業の考え方にもよることでしょう。
せっかく採用した人材ですので、適性がないからといって退職してもらうということは、なかなか簡単には決断できないことかもしれません
ですが、適性がない職場で働くことは、ご本人にとっても企業にとっても不幸なことです。
人手確保が難しい時代だからこそ、ミスマッチ採用を防いで、自社にマッチした人材により力を発揮してもらえるような組織つくりを目指しましょう。
そのためにも、いい人材がきてくれるような魅力ある企業になることが求められているのではないかと思います。