Case study

企業型確定拠出年金(DC)導入をするためには

先日、お客様から、企業型確定拠出年金(DC)を導入したいというご相談をいただきました。

企業型確定拠出年金とは、企業が掛金を毎月積み立て(拠出)で、従業員(加入者)が自ら年金資産の運用を行う制度です。

導入に際し、従業員数が一定規模数がある会社であれば、金融機関(運営管理機関)と直接1対1で契約ができます。ところが、一定規模に満たない会社の場合は、事務手続きが煩雑で手間もかかるため、金融機関が1対1で契約をしたがらない…という実態があります^^;

もちろんこの辺りの「一定の規模」は、銀行や損保など各金融機関の意向により異なるようで、必ずしも対応しないということもないようではありますので、あくまで一般的なお話ですが…

ご相談をいただいた会社様は、その一定規模をクリアしていないため、さて、どうしたらよいっものか…と悩んでいたところ、企業型確定拠出年金を専門にやっていらっしゃる中小企業診断士の細入徹さんがいらっしゃることを思い出しました。

実は、細入さんとは、不思議なご縁があり、もともとは弊社取締役の吉川洋之(私のオットです)が20年ほど前に証券会社に勤務していた際のお知り合いでした。

それに加えて、実は、私自身も間接的には存じ上げていて…というのも、税務研究会様が発行していた「スタッフアドバイザー」(現在は休刊)にて、私は2006年から2014年まで社会保険・労働保険に関する連載を行っておりましたが、同時期に、細入さんも何度か同雑誌に確定拠出年金に関してのご執筆をされていらっしゃったのです。

その時からもすでに10年以上経過しているのに、ご縁とは不思議なもので、今回早速ご相談をさせていただいたところ…無事にお客様へ企業型確定拠出年金の導入ができました^^

今回は、総合型確定拠出年金で、複数の中小企業が加入することで金融機関に引き受けてもらうという形をとっています。

また、選択制DCに該当し、退職金または給与等を原資として、前払い退職金(または給与)として受け取るか、DCに拠出するか、従業員が自ら選択できる制度となっています。

ちなみに、選択式DCとは…例えば、これまで支給していた従業員の給与が30万円であった場合、そのうち5万円をDCの掛金原子として支給。加入者は5万円のうち好きな金額をDCに拠出することが可能。もちろん拠出したくない人は0円とし、前払い退職金(または給与)として受け取ることができます。DCに拠出するか給与で受け取るかを従業員が自分で選択できるので、「選択制DC」とよばれています。

なお、加入者が好きな額(例えば4万円)を拠出した場合、前払い退職金(または給与)として受け取ることができる金額は減ります(前払い退職金額は5万円⇒1万円、支給総額が30万円⇒26万円)。

これに伴い、所得税も減りますし、社会保険料も随時改定(月変)に該当すれば、4か月目から減額します(固定的賃金の変動になるため)。

将来の年金を作るためDCに拠出することで、税金も社会保険料も減らすことができるのです

(実際にはDC導入に伴う事務手数料等の負担もあるため、減った税金や社会保険料はこちらに充てられるイメージですが)

また、確定拠出年金の中で一番大事で優先順位が高いのが投資教育です。

自分の年金を自分でつくるための制度ですが、正直どのように資産をつくっていったらいいのか、よくわからない従業員の方も多いことでしょう。。。

長期的にどのような資産構成で行っていくべきか、投資教育についても、弊社の吉川洋之も同席の上細入さんから今回しっかり実施をしていただきました^^

一時期ニュースなどでも取り上げられた、金融庁の報告により、老後資金が2000万円足りないと取り上げられた問題もありますので、今後中小企業でも、DC導入の関心度は上がってくることは間違いありません。

そのような時に、きちんと導入のサポートができるようにしておくこと、社労士にも求められる役割となっていくのではないかと改めて感じました。

もし、社会保険労務士の方、税理士の方、FPの方などでご関心のある方は、一般社団法人確定拠出年金アドバイザリー協会様も確認してみてください(細入さんが代表理事をつとめていらしゃいます)

 

 

 

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