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human capital management

人的資本経営を中小企業で実践するポイントとは

話題の人的資本経営の指針となる人材版伊藤レポート2.0を拝読しました。

人材版伊藤レポート2.0とは

◆人的資本経営を実現するために「経営戦略と連動した人材戦略をどう実践するか」「情報をどう可視化し、投資家に伝えていくか」の取り組みを重要視する

◆3つの視点・5つの共通要素という枠組みに基づいて、それぞれの視点や共通要素を人的資本経営で具体化させようとする際に、実行に移すべき取り組み、及びその取り組みを進める上でのポイントや有効となる工夫を示すものである 等

経営戦略と連動した人材戦略の実践について、「人的資本経営の実現に向けた検討会」の報告書に「実践事例集」を追加する形でまとめたレポートのことをいいます。

一見、人的資本経営は大企業のもの…と捉えがちですが、決して中小企業も対象外ではありません。

これからますます人材確保が難しくなる時代にあっては、中小企業においても人的資本経営の実践が人材確保の有無に大きな影響をあたえるのではないかと思います。

私自身は、本レポートを「中小企業に活かすには、何ができるか?どこから実践できるか?」という目的を持って読みました。

まずは「4.動的な人材ポートフォリオ計画の策定と運用」について。ここでは

◆現時点の人材やスキルを前提とするのではなく経営戦略の実現には、必要な人材の質と量を充足させ、中長期的に維持することが必要となる。

◆ このためには、現時点の人材やスキルを前提とするのではなく、経営戦略の実現という将来的な目標からバックキャストする形で、必要となる人材の要件を定義し、人材の採用・配置・育成を戦略的に進める必要がある。

とあります。まさしくゴールから換算する方法で、弊社でも評価制度や構築する場合に必ずお伝えしているところです。

中期経営計画を元に、その計画を実践するためにはどのような人材が必要なのかを明確にした上で、各部署の人材に求められるスキルを見える化し、スキルmapを作成した上で、評価項目に落とし込んでいくことが必要です。

どんな小さな組織でもゴールから逆算する方法は変わりませんが、リソースが限られている中小企業では、どんなにゴールから描いて理想の人材像を明確にしても、職場環境や待遇が大企業と比較しても見劣りするため、根本的にいい人材の確保が難しいという現実があります。

人手確保が難しい時代ですので、多様な人材の活用も必須となっていますが(このあたりも本レポートに記載があります)、そのためには組織として一定の規模(人数)が必要です。

結局いい会社(利益がでる、職場環境がいい、待遇がいい)にならなければ人は確保できないということが今後ますます進んでいきますので、中小企業の今後の方向性としては、①ある程度組織を大きくしていく、かつ、魅力ある組織にしていくということを前提とする②AIや外注を最大限活用し、人をできるだけ雇用しないチームとしていく、という二極化になるのでないでしょうか。

また、「5.知・経験のダイバーシティ&インクルージョンのための取組 2)課長やマネジャーによるマネジメント方針の共有③ 本取組を進める上で有効な工夫 」について。

工夫1:一時的な状況でマネージャーを評価せず、マネジメントの改善を 高く評価する運用

工夫2:ダイバーシティマネジメント上の工夫の共有・勉強会を奨励

工夫3:特に苦労している課長・マネージャーには人事部門と所属部門が 協働で支援

マネジメントという視点からみますと、中小企業の組織において、圧倒的に管理職が機能していないケースは多いと感じます。

管理職として必要なスキルや知識は、プレイヤーとは異なりますが、まだまだ必要なスキルは自分で身に着けるべきだ、という思考も根強く残っており、企業によっては管理職研修すら実施していないということもざらにあります。

変化が激しい世の中で、先が見えない、どのようなマネジメントをしたらよいかわからない、そんな時代の管理職が、少し実践してみて、すぐに成果がでないことも当然あることでしょう。

一時的な状況で評価されると、あれこれチャレンジすることにも尻込みをしてしまいます。

豊富な人材がそろっている大企業より、人材のリソースが限られている中小企業のほうが、より1人1人の能力を活用していくことが求められているのにもかかわらず、このような環境であっては、管理職の能力を伸ばすだけではなく、部下1人1人の能力を伸ばすということは難しくなります。

だからこそ「工夫1:一時的な状況でマネージャーを評価せず、マネジメントの改善を 高く評価する運用」という点は絶対的に必要だと感じます。

実際弊社でのコーチングでサポートをしている管理職の方たちは、1人1人の能力を伸ばすことと同時並行で、まずは、チーム内でのコミュニケーションを増やすために自発的にMTGを設定したり、自発的に勉強会を行ったりということを行っています。

その上で、1人1人をよく観察して、どのように接したら能力を出してくれるのかを考えながら、トライ・アンド・エラーで実践をしています。

正直、すぐにはうまくいかないことも多々あり、何度も対話、コミュニケーションを重ねて、相手を理解して、会社の方向性に向けてチームを引っ張っていくということにチャレンジしています。

本レポートのマネジメントの考え方については、中小企業での実践に参考になると感じます。

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現状、時代の変化とあわせて各種の法改正も進み、経営者はこれまで以上に人を雇用することに本気で向き合わないといけない時代が来ていると感じます。そしてその上で本気で人を雇っていくのか否かの決断が迫られているのです。

その中で魅力ある組織にしていくということを決断した企業においてのサポートを弊社ができたらうれしいです。

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