Case study

固定残業手当が原因で時間外労働や休日労働を拒否されたら!?

最近、例えば月30時間分などの固定残業手当を支払っていることが弊害となり、時間外労働や休日出勤をしたくない・・・と言う従業員の不満が出て困っているというご相談を複数の会社様からお受けする機会がありました。

本来は、業務命令上、時間外労働や休日出勤が必要な場合は当然従業員としては対応しなければなりません。

しかしながら、固定残業手当の範囲内の時間外労働や休日労働の場合、すでに固定で残業代が支払われているため、時間外労働・休日手当はもらえず、負担ばかりが増えて(!?)やりたくない、という反応になっているようです・・・。

そもそも、本来固定残業手当制度というのは、実際に時間外労働や休日労働が発生してもしていなくても、決められた時間に対しての時間外労働・休日労働手当を支払う制度ですので、このような不満を言うことは問題外です。

とはいえ、最近は働き方改革の影響もあり、時間外労働や休日労働を減らさなければという環境もあり、かつ、従業員側の働きたい会社の要件として「時間外労働や休日労働がない、または少ない会社」が上位に挙がっていることも無視はできません。

もちろん、まずは、自社で適用されている固定残業手当制度の趣旨をきちんと説明し、従業員に理解してもらい、業務命令に従って時間外労働や休日労働に対応してもらうという対応が必要です。

その上で、従業員にスムーズに気持ちよく働いてもらうためには、既存の固定残業手当制度の見直しも必要になってくるでしょう。

実際に、このような事案に対して、就業規則を変更するケースも出てきております。例えば土曜日に出た場合は固定残業代の手当とは別に土曜日出勤手当を支払うなど、規程を変更する方法があります。

未払残業手当問題への対策として、固定残業手当制度を導入している会社様も多いかと思いますが、働き方改革や従業員の意識チェンジも進んでおり、以前と比較すると、固定残業手当で設定した時間数も実態の残業時間と差異が出ているかもしれません。

こうした背景も踏まえて、固定残業手当制度も見直し、もしくは個別対応が必要になってきているのかもしれません。

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