さいきんチラホラとですが、
「今の仕事は売り上げを上げるために自分で考えてやらないといけないのがしんどいので、もっとルーティンでできる仕事に転職します」
「自分で答えを考えて対応しなければならない仕事、明確な答えがない仕事をやりたくないので、退職します」
という理由で従業員に転職されてしまった…というお声をお聞きしています。。
人手の確保が難しい時代なので、定着率を上げたい、離職率を下げたい、という思いはどの会社も同じことでしょう。特にやっと仕事に慣れてこれから戦力になってもらうタイミングで、手慣れた人材に退職されることは、会社にとっても影響が大きく、本当に悩ましいところです…
とはいえ、このようなお話を聞いて、そもそも簡易な仕事や責任の軽い仕事の母数は減っているのに、希望の職種で転職できるのだろうか?と疑問に感じます。
もちろん、簡易な仕事や作業的な仕事はまったくないわけではありません。
また、簡易な仕事や作業的な仕事をやっていただくことで、社会が支えられていることも間違いありません。
ですが、現在は、仕事も効率化が進み、AIの活用もあって、簡易な仕事、作業的な仕事は以前より減少しています。
レジも無人化が進んでいますし、前回記事にしたチャットGPTのような新たなツールも出てきていますし、簡単な質問は、今ではチャットボットが回答するということも当然になってきています。
そのように考えると、簡易な仕事を求めて転職をしても、どこかで行き止まるのではないか?と思います^^;。
しかしながら、従業員側からの視点では、どうしても目先に囚われてしまう、他の仕事が良く見えるということは否めないでしょう。
最近の若手人材は、「残業がない」「休日が多い」「福利厚生がしっかりしている」という項目を重視する傾向もあり、ちょっと無理して成長するというよりは、等身大の自分でできることをやりたい、という特徴もあるようです^^;
もちろん、そのような価値観の方ばかりではなく、難しい仕事をやりたい、責任のある仕事をやりたい、負荷がかかっても成長したい!という人材も多くいらっしゃいますので、結局は個別の人によるということになるのでしょうか。
こうなってくると、人材の質もますます二極化が進んでいくことは間違いないのかもしれません。
人手の確保は大事ですが、簡易な仕事を求めて転職する人材は、遅かれ早かれ退職する可能性も高い人材なのではないかと思います。
ある程度会社側もそのような前提で、人材の確保をしていくことが必要なのではないかと思います。
・・・と、そんなことを思っていた矢先に、日経新聞で気になる記事を見つけました。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO68941590T00C23A3TY5000/
長く働くことを希望する女性が多いことが、転職サイト「女の転職type」を運営するキャリアデザインセンター(東京・港)の調査でわかった。回答した女性の約8割が一般的な定年である60歳以上(一生涯を含む)まで働きたいとしている。(日経新聞2023年3月6日朝刊より抜粋)
長く働きたい!という女性が多いということ自体は、女性活躍の場も広がっているということでよいのでしょうが、アンケートの中で気になるのは、「60歳以上まで働きたい」と回答した人が希望する働き方として最も多いのが「簡易的な仕事を無理なくやりたい」(29.2%)という点です。
むしろ、定年再雇用でも、責任がある仕事を引き継げる人材がいないから、待遇や責任もそのままで、再雇用でも定年前と同じ給料・役職・責任で雇用しているという会社様も増えていると感じていますので、従業員側の意識やニーズと実態とのギャップがあると感じます。
ですが、そうしたギャップに労使双方、気づいていないのかもしれませんね…
時代の変化は速いですので、双方のニーズを押さえつつ、どのような選択肢を選んでいくか、ということが大事だと感じます。
弊社でも、お客様が、ベストな選択をできるような、情報提供やアドバイスを心掛けていきたいと改めて思いました^^