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Case study

「人と人とはわかりあえるはず」という思い込みを手放そう。

部下育成はどの企業の管理職も大きな課題の1つではありますが、先日ある管理職の人が
「部下と話せばわかるはずだと思って意識的にコミュニケーションをとったけど、お互いまったく理解しあえないので、疲労してしまい、コミュニケーションをとるのあきらめました…」
とおっしゃっていた言葉が印象的でした^^;

実際、今はハラスメントの問題もありますので、管理職として考え方や価値観が異なる部下とコミュニケーションをとることをリスクと考え、「できるだけ部下とコミュニケーションを取らないようにする」というスタンスをとっている方もいらっしゃいます(それがいいとは思いませんが^^;)

ですが、考え方や価値観が異なる人同士が一緒に仕事を行うのが組織でありチームですので、まったくコミュニケーションをとらないということは不可能ですし、仕事に影響もあることでしょう。

であれば、どうしたらよいのでしょうか?

1つできることとしてて、人と人はわかりあえるはずだ、という前提を手放すという方法があります。

そもそも、人と人とがわかりあえる、話せばわかる、という前提が思い込みです(きっぱり)。

人は、それぞれ、自分が正しいという思いが強いものです。

そして、実際に、現実として、正しい、正しくないの評価基準は人それぞれ異なりますので、どちらも正しいといっても過言ではありません…。(戦争が起こることはその一例かもしれません)

人は、ビジネスもプライベートも、お互いに正しさを主張して、何とか相手を変えて自分の考えや価値観に寄せようと努力する(自分の正しさに近づけようとする)ということを無自覚に行っています。

すると、「人と人とはわかりあえるはず」という大義名分のもとに、自分側に引き寄せようとするため、うまくいかない&疲労するということが起きてきます。

そもそも、1人1人は違うのだから、もともとわかりあえないのです!とはいえ、ビジネスを進めるにあたっては、調整しなければならないので、異なることを受け入れつつ落としどころを探る必要があります。

決してわかりあえるわけではありません(苦笑)

もちろん、コミュニケーションを通して、お互いの考え方や価値観を共有し、少しでも理解してもらい、わかりあえることができたら、こんなにすばらしいことはありませんが…

わかりあえないことを嘆いて疲労し、コミュニケーションをあきらめるくらいなら、いっそ「わかりあえるはず」という思いこみを手放し、「わかりあえたらいいな」くらいを目指しましょう。

「わかりあえたらいいな」を前提とすれば、万が一わかりあえなくても、まあ、そんなもんか、と現実を受け入れやすくなるかもしれません。

「わかりあえたらいいな」を目指すためにも、コミュニケーションをとって、お互いのギャップ埋めていき、調整することを目指しましょう。

ある管理職の方は、自分と似ている価値観の人とはスムーズにコミュニケーションをとっていましたが、価値観が異なる部下たちとは、わかりあえないことにいら立ちを感じ、無自覚にコミュニケーションを避けていたということに気づかれました。

その後、意識的に、価値観が異なる部下たちとコミュニケーションをとるようにし、まずは部下たちがどのような考え、価値観、思いなのか、部下を知り、個人的な思い(理解も共感もできなくても)はいったん脇に置き、価値観の違いを認識した上で、その後のマネジメントに活かしてチーム力をアップさせた、という事例もあります。

私自身も、以前は「わかりあえるはずだ」という思い込みに囚われていて、労力をかけてもうまくいかずにもがいていた時期がありましたが^^;

「そもそも人は1人1人異なるのだから、わかりあえるはずがない。だからこそわかりあえたり共感しあえることができたら、それは本当にすばらしいことだな」

と意識チェンジをしてから、ずいぶん気持ちが楽になりました^^

わかりあえないことに疲労してコミュニケーションをあきらめるのであれば、いっそ「わかりあえるはず」の思い込みを手放してみましょう。

わかりあえないからこそ、人間っておもしろいのかもしれませんね。

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