労務管理

人事評価制度について


人事評価制度とは
人事制度とは、会社の経営理念やビジョンに基づいて社員のやる気や能力を向上させる仕組みを制度として体系化したものをいいます。また、人事評価制度とは、会社が定めた評価基準を社員の処遇に反映させるための制度となります。人事評価制度には下記の目的があります。

・経営理念、経営戦略徹底のため
・人材育成、人材開発のため
・処遇を公正に反映させるため
・社員のモチベーションアップのため

人事評価制度で一番大事なこと
人事評価制度を構築する際に、一番大事なことは、会社の経営理念やビジョンと連動した制度を構築することです。

会社の経営理念とは、「何のために会社を経営するのか経営の基本的あり方を明確にしたもの」「どのような会社を目指すのか、会社がある目的を述べたもの」をいいます。また、会社のビジョンとは「会社の社会的存在意義」「会社を創業した理由」「成功したといえる最終的に会社が目指している状態」を指します。

中小企業では、中期経営計画を作成している会社も少なく、自社がどこを目指しているのか明確になっていないケースも多くありますが、旅行にも旅行の行き先があり、マラソンにもゴールがあるように、会社経営も「どこへ向かっているのか」という行き先がわからないままだと不安や不満がでてくるものです。

社員にとっても、会社の経営理念やビジョンが明確になることで、自分たちが行っている目先の仕事の意味を理解できるようになり、日々の出来事の捉え方が変わります。

たとえば、起きた出来事はマイナスのことでも、未来のためには必要不可欠な出来事であるとプラスにとらえて冷静で戦略的な対応ができるようになるのです。会社の経営理念やビジョンを実現するために必要な能力を身につけ、行動し、業績に貢献することが評価される制度を導入することで、社員は会社を「他人の問題」から「自分の問題」として捉えることが可能となります。

人事評価制度の評価要素
人事評価の評価要素は、会社で自由に決めることが可能です。一般的には「役割評価」「能力評価」「意欲評価」「態度評価」「目標管理による業績評価」などの評価要素があります。また、必要に応じて、階層別またはレベル毎に評価割合の重要度を変えて設定します。

目標管理制度とは
目標管理制度とは、期首に目標を立て、期中に目標達成に努力し、期末に目標達成できたかどうかを評価する制度のことをいいます。

目標は経営戦略やビジョンを元に、部門目標、課の目標、担当の目標へと設定していくため、社員1人1人の目標は、組織の上下と繋がっています。

一般的には、1年に1回目標サイクルを回す【年間型】や、上期1回、下期1回で年間2回目標サイクルを回す【上期下期型】があります。

目標管理制度を運用するにあたっての注意点は、目標が会社から与えられたものではなく、自分の内側から、自分自身で目標設定を行うよう面談を行うことが大事です。会社においては「会社から与えられた決まった目標を達成すること」「達成のために必要な行動」などに焦点が当てられます。

ところが、1人1人のキャリアや思いについて語られることはほとんどありません。たとえば、売上目標を与えられたとしましょう。確実にこの目標を達成するためには、この売上目標を「会社で決められたことだから」「上司から与えられた課題だから」と受け止めると、目標達成へのエネルギーが下がってしまいます。

すなわち、目標達成が「自分にとって意味がある目標」「自分が選び決めた目標」という意識を持つことができると、目標達成へのエネルギーを集中することができるのです。「会社として利益を出すこと=(イコール)社員の自己実現(自己成長)」が一致したとき、社員は会社の仕事を主体的に捉えられるようになります。

人事評価の処遇への反映
人事評価の処遇への反映はいろいろな方法がありますが、一般的には人事制度の成果を「昇給」「昇格」「賞与」等へ反映させます。(基本給テーブル、諸手当、運用ルールの策定、業績賞与の算定方式など決定)

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